天体観測用電源をモバイルバッテリーとするとき12Vをどうするかがちょっと困ります。12Vを使用する機器は少ないながらも必要な時があるので、これまではUSB A 5Vからの昇圧ケーブルを使っていました。しかしUSB Aは電源供給量(ワット)が限られているために電流が足りないといったことが起きます。この問題を解決するためにUSB Type C PDに対応した12V用トリガーケーブルを購入しました。
ケーブルの片側はUSB Cコネクタでこちらをモバイルバッテリーなどの電源に接続します。反対側はよくあるDCジャック 5.5mm x 2.5mm (2.1mmとも互換性があります)になっているので、12Vを使用する機器の電源としてそのまま使用可能です。
トリガーケーブルとは聞きなれない言葉だと思います。USB Type-C Power Deliveryは様々な電圧が規格として定義されており、電源を使用する機器からの何Vを使いたいというリクエストを受けてそれに合わせた電圧を出力する仕組みなっています。こちらのケーブルは12VをUSB C PD電源に対してリクエストすることで出力し、内部では電圧変換など一切行っていません。モバイルバッテリーなどから12Vが出力され、それをそのまま供給するものです。ケーブルにはこの12Vをリクエストするトリガーデバイスと呼ばれるICが入っているだけになります。
注意が必要なのは使用するモバイルバッテリーが12Vに対応している必要があることです。モバイルバッテリーが何Vを出力可能であるかはバッテリーに貼られているラベルなどで確認できます。私はUSB C PDに対応したモバイルバッテリーを2つ持っていますが、どちらも12V出力可能でした。ラベルのOutputのところに 12V - 3Aの記載があります。
12V - 3Aなので36Wまで供給可能ということになります。USB Aだと5V - 3Aぐらいが限界であることが多くその2倍以上の電源容量があります。
簡単に動作確認をしてみましたが、どちらのモバイルバッテリーでも12Vが出力されて12V用の機器がきちんと動作しました。最大電流3Aまで可能で、自動導入赤道儀 EQ6Proは12V - 2Aですのでこのトリガーケーブルを使えばモバイルバッテリーから電源供給可能になるのですが、12Vで2A定常的に消費します。つまり24W消費するので 96Whのモバイルバッテリーでも3 - 4時間しかもたないので実用的ではありませんね。私の使っている天体観測用機器の中では自動導入赤道儀が一番の電気食いでPCよりもずっと消費が大きいです。
こちらのトリガーケーブルもAmazonで購入しました。9V、15V、20Vのものも販売されています。ただし12Vと同じくもとのモバイルバッテリーなどがそれらの電圧に対応している必要がありますが。
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USB電源ケーブル Type-C PDトリガーケーブル DC プラグ 外径5.5mm/内径2.1mm(2.5mm) (12V 3A) |
USB C PDに対応したモバイルバッテリーとしてはRAVPower、Ankerといったところがお薦めなのですが、RAVPowerは12Vに対応している一方でAnkerは対応していないようです。
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RAVPower モバイルバッテリー 20000mAh PD対応 60W USB-A+USB-C 2ポート 大容量iPhone/Android/MacBook/ノートパソコン/Switch等対応 PSE認証済 RP-PB201 |
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Anker PowerCore III 19200 60W (PD モバイルバッテリー 大容量 19200mAh)【PowerIQ 3.0 (Gen2) / USB Power Delivery 対応 / 低電流モード搭載 / PSE認証済】MacBook Lenovo HP iPad iPhone Android 各種対応 |
Author:TK_Starlight
綺麗な眺めに魅かれて星空・風景・花などの写真を撮っています。
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