蓼科でNikon Z 14-30mm F4Sレンズにて撮影した天の川です。広角端14mmでの撮影になります。期待した通り、さそり座から夏の大三角まで綺麗に収めることができました。
Nikon Z 14-30mm F4S (14mm), 絞りF4, Lee Soft filter #1
Nikon Z6 (無改造)
ISO12800 13秒 x24 コンポジット
固定撮影 (Sequator使用)
到着した頃は蓼科山の山頂には雲がかかっていて、この画像にもその雲が写っています。湿度、風向きなどの微妙な気象条件の違いによってはその雲が広がってこの撮影場所でもその雲の下や中に入ってしまうこともあるのですが、この日は一時的に空が雲に覆われたぐらいで済みました。
もう少し時間がたって天の川が南から立ち上がるようになった頃に、今度は縦構図での撮影です。こちらも はくちょう座のデネブまで構図に入っています。
Nikon Z 14-30mm F4S (14mm), 絞りF4, Lee Soft filter #1
Nikon Z6 (無改造)
ISO12800 13秒 x25 コンポジット
固定撮影 (Sequator使用)
Zレンズはボディ内レンズ補正が標準でオンとなっているものがあり、この14-30mm F4Sレンズもそうです。それをオフにすることはできません。その分、周辺減光がきっちり補正されているのかと思っていたのですが、補正の強さを標準にしていたためなのか画像処理をしてみると周辺減光が残っていました。Adobe Lightroomでの現像時にマニュアルで周辺減光補正を追加しています。
Author:TK_Starlight
綺麗な眺めに魅かれて星空・風景・花などの写真を撮っています。
コメント
2021/06/28 URL 編集
フラット補正
2021/06/28 URL 編集
撮影方法
Z7と14-30mmを持っておりまして、今夏に天の川を撮りたいと思っていたのでこちらの記事に飛びつきました。
こちら、ISO12800 13秒 x24 コンポジットということですが、撮影方法は
①三脚にカメラをセット
②カメラを設定(ISO、絞り、SS)
③24枚撮影
という流れであっておりますでしょうか?
その際、長時間ノイズや高感度ノイズはONにされていらっしゃるのでしょうか?
また、現像方法ですが、
①ご紹介されているSequatorでコンポジット
②それをライトルームで編集
という流れなのでしょうか?
14-30mm気に入っているのですが、星景写真には暗すぎるかなと思い、14-24mmに買い替えも検討しているのですが、こちらのお写真のようにきれいに撮れるなら買い替えなくてもよいかなと思っております。
2021/07/02 URL 編集
撮影の流れ
一方で、撮影後の現像処理ですが、
1. Lightroomで現像しRaw画像からTIFFにして出力
2. Sequatorで複数枚のTIFFファイルを読みこみコンポジット処理して1枚にまとめる
となります。さらにはこの後、コンポジット処理が行われた1枚の画像をPhotoshopに読み込んで、コントラスト強調、色彩強調などを行って仕上げています。
天の川をきれいに見せるには、天の川と、夜空で天の川がない言わば背景部分との間で輝度に差がある状態にすることが重要です。つまりコントラストを強調します。都会では天の川が見えず田舎では見えるのは、この背景部分の明るさが暗くなるからだとお考えいただけるとわかりやすいかと思います。きれいな天の川の写真を撮るには空の暗い場所に行くことが大切です。
カメラ・レンズを三脚に載せて星空を撮影する場合、日周運動で星が動いていくのを目立たせないようにするには露出時間が限られます。14mmレンズであれば 10 - 15秒ぐらいまでに抑える必要があり、明るいレンズを使えばその限られた露出時間の中で明るく写せるので、星空撮影にはよいとされてきました。従来では、暗いレンズにて明るいレンズ同等の結果を得るには露出時間を延ばす必要があり、露出を延ばしても星を点像のままにするには星を追尾する赤道儀が必要となりました。
しかし暗いレンズを使用し短い露出時間で暗く写っても現像時に補正をかけることで明るく持ち上げることができます。ただしその場合にはノイズがより目立つことになります。つまりレンズの明るさの違いは、同等の明るさに仕上げた時に結果としてノイズ量の違いになると言い換えることができます。
Sequatorが画期的なのは、コンポジット枚数を増やすことでノイズを低減することを可能にした点です。これによって暗いレンズであってもノイズの少ない質の高い画像が得られるようになりました。赤道儀でない三脚で撮影した複数枚の画像を普通にコンポジットするだけだと日周運動で星の移動が軌跡になってしまうのですが、Sequatorは画像ごとに自動的に位置を合わせなおすことで星を点像のままにしてくれます。そのおかげで暗いレンズを使ってもコンポジット枚数を増やすことで明るいレンズとほぼ同等の結果を得ることができます。
個人的には、天の川などの星空の写真をきれいに見せるにあたっては、レンズの明るさより、コンポジットを含めた撮影後の処理の方が寄与する度合いがずっと大きいと思います。その撮影後の処理はいろいろと経験が必要だったりするので、同じ機材で同じように撮影したとしてもその処理によって仕上がり具合はずいぶんと違ってくる点は注意が必要かと思います。
明るいレンズの方がこの事後処理が簡単になったりということはあるのでまだメリットがあるのは間違いないですが、たとえば12-24mmレンズで撮影しても、いわゆるカメラ撮って出しの画像で、ここにあげた画像ほど天の川がくっきり見えているということはめったにないと思います。よほど空の暗い条件の良い撮影地なら可能かもしれませんが日本国内では難しいだろうと想像します。
2021/07/02 URL 編集
お礼と追加で教えてください
Sequatorがよい、という記事は読んだことがあったのですが、ここまで詳細に解説頂けて目から鱗、とてもよく理解することが出来ました。14-24F2.8は評判が良いですが、14-30mmの軽さ・小ささは捨てがたいと思っており、ご教授いただいた方法で星景写真の現像に挑戦したいと思います。本当にありがとうございます。
1点だけ、撮影中のことで教えてください。
長時間ノイズ、高感度ノイズは設定しないで撮影するとのことですが、撮影間隔はどのようになさってますか?1枚の撮影が終わったら間をあけずに次の撮影をするのでしょうか?それともインタバールを開けるのでしょうか?24枚連続して撮影すると24×13=5分ちょっと連続して撮影することになりますが、発熱しないかが気になりまして、お尋ねいたしました。お手すきの際にでもご確認いただけますと幸いです。
2021/07/02 URL 編集
インターバル
指でシャッターを押すという完全マニュアル撮影だと何枚撮ったか数えている必要があり、ときどき数え間違いをしています。タイマーコントローラも持っているので使えばよいのですけどね。(笑)
2021/07/02 URL 編集
ありがとうございます!
ご丁寧にご教示くださり、ありがとうございます。
なるほど、やはり発熱はしますよね。とはいえ、なるべく星が動かないうちに撮りたいので、背景の景色を見ながら現場で考えていきたいと思います。
>指でシャッターを押すという完全マニュアル撮影
私も覚えている自身がありません笑。真っ暗闇で紙にメモをとるのもハードルが高そうです。
あと、これからのシーズンはノイズが増えやすいんですね。こちらも全く知識を持ち合わせておりませんでしたが、過去に何回か撮った下手な写真を見返すと確かに暑いほうがノイズが多い気がいたします。8月に西表島に行く予定があるので、天の川撮りたいと思っていたのですが、頂いた数々のアドバイスをしっかり押さえて、枚数多めで頑張りたいと思います。それにしてもご回答が本当に知りたいことばかりでとてもためになりました。こちらの記事は、撮影前のバイブルとさせていただきます。これからも素敵な写真がアップされることを楽しみにしております!
2021/07/02 URL 編集