蓼科の星空 - フィッシュアイ

6月の蓼科においてフィッシュアイ12mmで撮影した星空です。さそり座はもう西に傾いてしまって見えていませんが、天の川のアーチとしてはバランスが良い時間帯に撮影できました。南東に輝く木星の方向に向けてそこから見上げた感じになっています。南西のいて座付近の濃い部分から頭上にある夏の大三角を通り、北東のカシオペア座へ抜けています。木の上ぎりぎりにはペルセウス座の二重星団も出てきていますし、アンドロメダ大星雲も見えています。

夏 天の川 アーチ フィッシュアイ Z6 Nikon Samyang 12mm

Samyang 12mm F2.8 Fisheye, 絞りF2.8, Lee Soft filter #1

Nikon Z6 (無改造)

ISO12800 15秒 x25 コンポジット

固定撮影 (Sequator使用)


こちらの元画像25枚をAdobe Lightroomで現像したのちにSequatorでコンポジットをかけた状態の画像が以下のものです。この段階ではコントラスト強調などは現像時も含めて行っていません。

天の川 フィッシュアイ Z6 Nikon Samyang 12mm Sequator 画像処理

もちろん天の川は見えていますが背景との輝度差が少ないためにくっきりとは見えておらず、いわゆる眠い画像という感じがしますね。ここからコントラストを強めて見映えを良くしていく処理を行います。Adobe Photoshopにてトーンカーブを使って強調しました。

天の川 フィッシュアイ Z6 Nikon Samyang 12mm Sequator 画像処理

コントラストを強調する処理は、明るさ・コントラスト調整、レベル補正などいくつか方法はありますが、自由度の高さから私はトーンカーブを使うことが多いです。このときの画像全体は以下のような感じです。

天の川 フィッシュアイ Z6 Nikon Samyang 12mm Sequator 画像処理

トーンカーブ調整を1回行うだけでまずまずの見映えにできたとは思うのですが、同時に街明かりによる光害も目立ってきてしまいました。

蓼科山より右側、いて座方向に重なっているのは諏訪から茅野にかけて、木星と蓼科山の間の南方向は甲府から首都圏への街明かりになります。木星から左側の方へは青緑の光が見えているのですが、これについては方角は北東にあたり佐久から小諸・軽井沢の影響でしょうか。下の地図と見比べると蓼科山から見てどの方角にどんな街があるのかを知ることができます。

場所・方角によって光害の色合いが異なるのはときどき経験するのですが、なんとなくLED照明が普及するにつれてこういう違いを目にするようになったと感じます。光源までの距離などにもよるのかと想像はするのですが確かなところはわかりません。天候状態にもよって街明かりの影響は変わってきて冬場のように湿気が少なく空が澄んでいるときは目立たなくなるのですが、この日はちょっと湿気が高いコンディションで、空が暗い蓼科であってもこれぐらいの影響は受けていました。


これ以上さらに強調しようとすると、こういった光害によるカブリを低減する必要が出てきます。投げ縄ツールで影響が見られる箇所を選択し、その選択された部分にだけ輝度を下げる、色調を整えるといった補正を加えますが、地表に近いほどカブリが大きいので地道に少しずつ選択エリアの大きさ、補正の強さを変えながら補正していくことになります。今回で言えば、下の画像にあるように20回以上に分けての補正が必要でした。

天の川 フィッシュアイ Z6 Nikon Samyang 12mm Sequator 画像処理 光害 カブリ 補正
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コメント

とら次郎のとうちゃん
トーンカーブ処理でも暗い星がそんなにはなくなってないようですね。やはりこのAdobe Lightroomは優秀ですね。私はもっぱらステライメージのみですが、ずいぶん差があるように感じます。地表に近い部分の補正、簡単にはいかないものですね、20回重ねてここまで出来上がるのですね。自然な感じですばらしいです。

トーンカーブ処理

TK_Starlight
暗い星が消えないようにトーンカーブを調整するのはやはりAdobeのソフトウェアがやりやすいです。以前に少しだけステライメージを使ったことがあるのですが、そのときにはトーンカーブがうまく使えなくてすぐにやめてしまいました。
地表に近い部分の補正はほんとうに手間がかかります。フィッシュアイで地表が歪んで曲線になっていると余計大変ですね。投げ縄ツールで補正したいエリアをちまちまと選んでいく以外に良い手が思いつかず、何回も何回も重る力技です。
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