Nikon Z 14-30mm F4S 星像テスト

先月の蓼科ではNikon Z 50mm F1.8Sレンズで夏の大三角を撮影した後、レンズを広角ズーム Z 14-30mm F4Sに交換してその星像テストを行いました。前回こちらのレンズで星の撮影をした時には三脚に載せた固定撮影で追尾をせずソフトフィルターも入れていたので、コマ収差などの様子をきちんとは見ていませんでした。今回はAP赤道儀で2分間の追尾撮影、広角端14mmで絞りはF4開放、ISO3200です。RAW画像をカラーバランスを整えただけの現像ですが、このレンズではボディ内レンズ補正が自動的にオンとなり周辺減光と歪みが補正されます。

まず画像全体の様子です。右から右下の方には光害カブリが出ていて少しわかりにくいのですが、ボディ内補正されている割には周辺減光が残っていますね。以前の記事にも書きましたが周辺減光補正の強さを標準とすると、ある程度は残る状態となるようです。

Nikon Z 14 30mm F4 S 星 星像 コマ収差


次に周辺の収差の様子です。中央と四隅をピクセル等倍で切り出しています。

Nikon Z 14 30mm F4 S 星 星像 コマ収差

周辺ではいわゆるコマ収差とはちょっと違って放射方向に線状に流れる形の収差ですね。最近のレンズはこういう出方をするものが多くなっているように思います。コマ収差よりは目立たないですし、絞り開放でこの程度なら実用レベルだと思います。手振れ補正機能がないおかげかスケアリングずれ、片ボケといったものも問題なくどの隅もほぼ同じような収差の出方であるのは好印象です。

中心部で星像の小ささから見るに、シャープさはなかなかです。Z6のセンサーですこし偽色が出ているというのもそのシャープさを裏付けています。偽色を気にする人がいるかもしれませんが、広角ズームだとオートガイドは使わないので追尾撮影で何枚も撮影するうちにすこしずつ位置がずれてくることが多く、そのような少しのずれがあるコマを複数枚コンポジットすれば個人的には偽色は気にならなくなるレベルになります。それよりは小さく締まった星像となるだけのシャープさの方が重要です。


もっともこのレンズで追尾撮影をすることはあまりないかと思っています。14mmだととにかく画角が広いので天の川を入れてだと季節辺り1枚の構図しか撮れないのですよね。それよりは地上の風景を入れてのほうがいろいろと楽しめますが、そうすると固定撮影にてソフトフィルターを入れてという撮影方法が好みでその場合なら追尾撮影ほど周辺星像は厳しく見ないので、これぐらいなら十分です。

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コメント

いつも情報をありがとうございます

Kanao
ニコンに戻るならこのレンズ、と思っている一本です。

中央の解像は圧巻ですね。
仰せのとおり、周辺部の像も偏りが無く、十分許容範囲かと。

周辺に引っ張られるような像になるのは非点収差の影響ですかね。
歪曲収差の自動補正の影響も多少あるのでしょうか。

いずれにしても、納得の一本だと思います。

バランスの取れたレンズ

TK_Starlight
以前に定評のあるTamron SP15-30mm F2.8を使っていたことがあるのですが、そちらのレンズと比べるとやや周辺像は悪いかなと思いますが重量・サイズや出目金レンズでないなど取り扱いのしやすさが大きく違います。こちらのレンズはとてもバランスの取れた素晴らしいレンズだと思います。もちろん性能で言えば上にはZ 14-28mm F2.8Sがありますがお値段も倍以上ですからね。
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