GraXpertのパラメーター調整

はじめに:背景補正ソフト GraXpert

ここのところモザイク撮影をした時に各コマ間の色・明るさのマッチング、カブリ補正などを省力化するために背景補正ソフトであるGraXpertを使用してまずまずの結果が得られています。それでもGraXpertの標準設定のままではうまくいかないことも多く撮影画像ごとにパラメーター調整をしたほうが良いと思います。

星雲が大きく写っている画像の補正

こちらの画像は、へびつかい座にある大きな散光星雲Sh2-27を部分的に収めた画像です。画角の大部分が散光星雲で占められています。このような画像ではGraXpertを上手に使わないとせっかくの星雲成分もカブリとして補正されてしまうことになります。画像を見た感じではフラットはまずまずあってそう、しかし左下に向かって光害カブリが出ています。

天体写真 画像処理 背景補正 GraXpert 使い方 パラメーター 設定

サンプルポイントを配置

まずはサンプルポイントを配置します。Point per rowというスライダーバーで画像横方向一列に何個のサンプルポイント(黄色の四角形アイコン)を置くかを設定します。あまり厳密に調整する必要はありませんが、私は10前後の値を使うことが多いです。そこからCreate Gridをクリックして配置されたサンプルポイントをマニュアルで削除したり移動したりとサンプルポイントの位置を調整するのが重要です。ポイントの追加、削除もマニュアルで可能です。明確に星雲がある、あるいは暗黒帯、輝星があるといったところは避けるように調整します。この画像でいえば左側に広がっている星雲の淡い部分もできれば避けたいのですが、一方で左下方向に発生している光害カブリは検知してほしいので、ある程度は置くことにしました。

アルゴリズムの選択・調整

サンプルポイントが置けたら、次にアルゴリズム Interpolation Methodを選択します。一番使い勝手がいいと感じているのはRBFです。KrigingはRBFより強力な補正がかかりますがその分過補正になることが多いと思います。注意が必要なのはAIとされているアルゴリズムで、私が試した範囲ではサンプルポイントの配置に影響されないように思いました。サンプルポイントをどう置こうとも結果はほとんど変わりません。逆にいちいちマニュアルで設定を調整したくないというのなら AIが良いと思いますが、適度な結果が得られるとは限らないです。

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もう一つ重要なのがSmoothingです。これはどれだけ細かい範囲で背景補正をかけるかというパラメーターで、ゴースト・迷光など小さな部分で補正をかけたいのならスライダーバーを左に動かして小さな値にするのが良いと思いますが、私の場合は光害カブリだったりフラット補正エラーというような大きな範囲での傾斜を補正したいのでスライダーバーを右端にして一番大きな値の1.0を使っています。これらのパラメーターをセットしたら、Calculate Backgroundで背景補正をかけます。

補正結果の確認、再調整

画面上中央のプルダウンメニューで、Original(元画像)、Processed(補正画像)、Background(計算された背景傾斜成分)を選択してチェックすることができます。

天体写真 画像処理 背景補正 GraXpert 使い方 パラメーター 設定


Background画像はこんな感じになりました。

天体写真 画像処理 背景補正 GraXpert 使い方 パラメーター 設定

Smoothingを一番大きな値にしているので、狙い通り大きな傾斜しか出てきておらず、赤い星雲成分は右側のSh2-27の高輝度部分は多少出てしまっていますが、心配した淡い部分にはほとんど含まれていないのが見て取れます。ここで赤い色がついていると星雲部分も減算されてしまいます。

この傾斜成分で補正された後のProcessedはこのようになっています。

天体写真 画像処理 背景補正 GraXpert 使い方 パラメーター 設定

ちなみにOriginal、Processedとも、星雲などが見やすいようにある程度強調処理を入れた状態で表示されます。まずまずの処理結果でしょうか。Backgroundとあわせて見比べて意図通りに補正できているかチェックし、うまくいっていなければサンプルポイントの位置や数を調整、あるいはアルゴリズムを調整して自分が望む結果が得られるまで再調整を繰り返します。

満足できるレベルになったら、左側のメニューの下のほうにあるSave Processedをクリックして補正画像を保存します。Backgroundも別に保存できるので何か活用できそうにも思いますが、どう使うかはまだアイデアがありません。

まとめ

GraXpertは対象や構図によっては何も調整なしにクリック一発でもある程度の結果は得られるとは思いますが、いろいろと調整可能になっているので撮影対象・手法に応じてうまく有効活用したいものですね。

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