SynScan WiFi アダプタ

少し前にSynScan WiFiアダプタを購入しました。今まで使ってきたEQ6赤道儀のハンドコントローラのかわりに赤道儀にこのWiFiアダプタを繋ぐことになります。

SynScan WiFi アダプタ


赤道儀とアダプタの間のケーブルは以前からハンドコントローラ接続に使っていたものをそのまま使い回します。

SynScan WiFi 赤道儀 接続


WiFiでPCを接続し、PC上のアプリケーション SynScan Pro for Windows で赤道儀を制御します。何回か使用する中で注意するべき点がわかってきたので、ここにまとめます。


アライメント

ハンドコントローラでは日時を毎回入力していましたが、さすがにPC上のアプリですからPCの持っている時間情報をそのまま使うので入力する必要はなくなりました。観測地情報は前回の入力が残っていて同じ観測地であれば入力し直さなくて大丈夫です。こちらがホーム画面になります。

SynScan Pro for Windows ホーム画面


赤道儀とPCを接続してすぐにアライメントを開始できるのですが、これまでの経験からアライメントを始める前に必ずアライメント情報のリセットを行うようにしています。前回使用時のアライメント情報が残っていたのかアライメント開始でおかしな方向に動き出してしまったことがあったので、まずリセットするのが安全だと思います。

SynScan Pro for Windows アライメント


私は1スターアライメントを使うので表示されるリストの中から使用する星を選べば

SynScan Pro for Windows アライメント

その星に向かって移動が始まります。

SynScan Pro for Windows アライメント


マニュアルで中心に

赤道儀が停止したらアプリ上の矢印ボタンをクリックしてマニュアルで動かして目的の星を視野中心に持ってきます。

下の画面ではモータースピードが"5"になっていますが、両端の小さめの横向きの矢印をクリックすればスピードは変更可能です。ここで注意するのは、この画面のように方向ボタンに色がついている状態になっているときです。このアプリの機能制限としてアライメント時にマニュアルで中心に持ってくる際に最後は上向きボタン・右向きボタンをクリックする必要があります。

SynScan Pro for Windows アライメント ボタン


左方向に移動させたいと思ったら、すこし余計に左方向に動かしたのち最後に右向きボタンをクリックで真ん中に来る、という操作が必要です。右向きボタンをクリックすれば右向きボタンについている色は消えます。最後の操作が左向きボタンだと右向きボタンに色がついて、そこをクリックする必要があるというのが示されます。(実際の画面では色は点滅表示されます。)

上下方向についても同じで、最後に上向きボタンをクリックしてボタン表示に色がついていない状態にしなければなりません。

ターゲットの星が真ん中に来て、かつ上・右向きボタンに色がついていなければ、画面中央付近のバーをクリックしてアライメント完了とできます。ボタンに色がついているままだとアライメント完了のクリックができないようになっています。


対象導入時の赤道儀反転

ホーム画面からユーザーオブジェクト、そして天体と進むと座標による導入画面となります。天体写真撮影の場合、構図の関係から中心に対象天体があるとは限らないので、赤経・赤緯座標による導入をよく使います。この画面では初めは赤道儀が現在向いている赤経・赤緯座標が表示されているので、それを目的の座標に書き換えたのち"導入"をクリックすれば、赤道儀が目標に向かって動き始めます。

SynScan Pro for Windows 自動導入


南中前後の天体を撮影しているとき、たとえば赤道儀が東を向いている状態で南中をわずかに超えた天体を導入するときなど赤道儀は反転させずに東向きのままで導入したい場合があります。SynScan Pro for Windowsでは、この赤道儀を反転させる、させないも指定することができます。ホーム画面からアドバンスド画面に入り、

SynScan Pro for Windows アドバンスド


さらにもう1回アドバンスドと進むとフリッピングモードを指定できます。デフォルトは"オート"ですが、それを"する"、"しない"を指定することで赤道儀反転を制御できます。

SynScan Pro for Windows 赤道儀 反転


ただしこのフリッピングモード指定にも注意点があります。フリッピングモードを指定してから天体導入を行うと、フリッピングモードは標準の"オート"に自動的に戻ります。ですので導入前にフリッピングモードを指定しなおす必要があります。

もう一つややこしいのが赤道儀・望遠鏡が東向きか西向きかで、フリッピングモード "する"、"しない"の動作が異なることです。

赤道儀が東向きのとき

フリッピングモード = "しない"とすると赤道儀は反転しません。赤道儀が東向きの状態から南中過ぎの対象を導入しても赤道儀は反転しません。あるいは、フリッピングモード = "する"とすれば、南中前の対象を導入しても赤道儀は反転してから導入します。

赤道儀が西向きのとき

フリッピングモード = "しない"とすると赤道儀は反転します。赤道儀が西向きの状態から南中前の対象を導入するときに赤道儀を反転させたくないのであれば、フリッピングモード = "する"を選ぶ必要があります。メニューの言葉と実際の赤道儀の動作は反対になってしまっています。


あるいは、このように解釈した方がまだ覚えやすいかもしれません。

  • ・フリッピングモード="する": 必ず赤道儀は西向きになるように導入する。
  • ・フリッピングモード="しない": 必ず赤道儀は東向きになるように導入する。

メニューの日本語訳に問題があるのかと思ったのですが、英語版のヘルプを見ても違いはないので誤訳というわけではないようです。ちょっと謎な仕様ですね。


まとめ

ここに挙げたような注意点が理解できるまで操作・赤道儀の動作に戸惑うこともあったのですが、何回かの使用で理解が進み慣れてきたところです。PCから赤道儀を制御するとシステムが複雑になりトラブルが出やすいという印象があるのですが、このSynScan WiFiアダプタは単純にハンドコントローラを置き換えるだけでASCOMなどに頼っていない分トラブルが出にくいのではないかと期待しています。(ASCOMにつないで星図ソフトから制御することも可能ではありますが私は使用していません。)

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