人気の観光地、立山・黒部アルペンルートは色々な種類の乗り物を乗り継いで巡る黒部ダムなど多くの見どころがありますが、途中の最高地点が室堂になります。3000m級の山々が目前に迫る室堂は立山、剱岳、薬師岳などへのトレッキング・登山の拠点となる場所です。室堂からの日帰りハイキングコースとしてお薦めなのが浄土山の周回コースです。標準タイム 3時間半ほどのコースになります。
首都圏からであれば立山・黒部アルペンルートの入口は扇沢になります。中央道安曇野インターから1時間弱でしょうか。扇沢の駐車場に車を停めて最初の乗り物、関電トンネルの電気バスに乗り換えます。
電気バスを降りるとそこは黒部ダムです。いろいろと写真を撮りたくなる場所ではありますが、室堂でのハイキングが目的であれば少しでも早く歩き始める必要があるので、行きは黒部ダム堰堤の上をさっと歩いて通り過ぎ、ケーブルカー、さらにその先のロープウェイ、立山トンネルトロリーバスへと向かうことをお薦めします。
立山・黒部アルペンルートは乗り物を乗り継いでいくのが楽しくはあるのですが、時間と料金がかかるのが難点でもあります。室堂から夏の時期の始発に乗ったとしても室堂に到着するのは9時前になってしまいます。関西方面からであれば立山側からのアプローチとなるので、もう少し早い時間に室堂に到着できるようです。
室堂のターミナルを出ると目の前には雄山をはじめとする立山連峰が広がっています。立山・黒部アルペンルートでは各ターミナルでおいしい水をたっぷり汲むことができるのは助かります。3時間半ほどのコースなので、とくに夏場はボトルにしっかり水を補給してスタートしましょう。
歩きはじめは人気の一ノ越・雄山のコースと同じですが、立山室堂山荘のところで右に折れて立山展望台の方へ進みます。下の写真の真ん中に見えているのがその立山室堂山荘で、左にある室堂ターミナルから一ノ越へは右へ向かっていきますが、浄土山へのコースは、この写真では立山室堂山荘から左手前の方へ伸びている道になります。
夏の早い時期であれば、周囲にはたくさんの花が咲いています。ただ歩いている道からはちょっと距離があるかもしれません。そうなると周囲の山々と組み合わせるのは難しくなります。
チングルマは好きな花で登山道の近くに咲いていることも多いのですが、花として咲いているのは比較的短い期間ですぐに穂となってしまうイメージがあります。
それでもその場所に雪がいつまで残っていたかで咲くタイミングが違ってくるので、場所によっては咲いている花もまだまだ見つけられると思います。
運が良ければ雷鳥を見かけるかもしれません。雷鳥は人を警戒しないのですぐ近くまで来てくれることもあります。
いちど浄土山への分岐を左に見ながら通り過ごしさらに直進すると立山展望台に着きます。ここからは立山カルデラを見下ろすことができるのですが、夏の時期の遅めのスタートということでカルデラはすでに雲に覆われていました。カルデラの向こうには五色ヶ原が広がり、五色ヶ原山荘も見えます。薬師岳は五色ヶ原のさらに先になります。
浄土山への分岐まで戻り、そこから急坂越しに見上げる浄土山へ登っていきます。立山展望台まではハイキングコースですがこの先は登山道扱いになります。途中には岩が積み重なっている急坂があり手を使って進むような箇所もありますが距離は短く、分岐から浄土山の頂上までのコースタイムは30分です。急坂を登りきったところで一息入れたくなりますね。写真の右下に立山展望台が少し写っているので、その標高差150mがわかるかと思います。
まず到着するのが浄土山の北峰です。その頂上はなだらかでそこからは雄山が左右に綺麗な広がりを見せています。
雄山から左手につながる別山の向こうからは剱岳が頭を覗かせています。剱岳は室堂周辺からはこの別山が遮っているためその姿を見ることができません。見るにはある程度標高を稼ぐ必要があります。
北峰から南峰をつなぐ眺めの素晴らしい道を行きます。左手には引き続き雄山のバランスの取れた姿が見えます。道端に花が咲いていれば組み合わせることもできます。
時期によっては雪渓が残っていることもあります。
南峰から右手には先ほど見えていた五色ヶ原、薬師岳へつながるコースが分岐しますが、左手の一ノ越へ下る道を行きます。ここまで来ると一ノ越山荘越しに雄山へ登るコースがよく見えます。雄山への登りもなかなかの急坂です。
一ノ越へは緩やかな下りで、右手には東一ノ越から黒部平駅に向かうコースが見えてきます。東一ノ越のあたりは紅葉が見事とのことなので秋に歩いてみたい場所です。
一ノ越からは、みくりが池など室堂周辺の様子が見えてきます。
雄山への登りを見上げると岩だらけの急斜面にたくさんの人が見えます。室堂ターミナルから雄山の往復はコースタイム4時間の人気コースですが、ハイシーズンはこの斜面に人が集中するので渋滞となるようです。
一ノ越から室堂へは再びハイキングコース指定の石畳の道になります。浄土山への分岐した道と比べると高山植物など少ないような印象を受けました。一ノ越から下りてすぐのところで雷鳥沢方面への分岐があります。そちらからでも、やや回り道ですが室堂山荘のところに戻ることができます。秋の紅葉時期はそちらの道の方がナナカマドの木など見所が多いと思います。
チングルマの花などが増えてきたら室堂まではもうすぐです。
浄土山から室堂に戻ってくると午後1時頃になりますが、その時間になると移動する観光客も増えるので途中の乗り継ぎのたびに列に並んで待つことになります。扇沢に戻るのは夕刻に近くなるかもしれません。室堂周辺の広々とした眺めと3000m級の山々の迫力ある姿を夏だけでなく紅葉時期なども楽しむことができる場所ですが、扇沢からのアプローチはネックです。日帰りで終わってしまうのは少しもったいない気がします。できれば山小屋などでの泊りがけでもっと楽しむのが良いですね。
Author:TK_Starlight
綺麗な眺めに魅かれて星空・風景・花などの写真を撮っています。
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