Nikon Z6でTAMRON 20mm F/2.8 Model F050を使いたくて、TECHARTのマウントアダプター TZE-01を入手しました。このマウントアダプターはソニーEマウントレンズをニコン Zシリーズカメラで使用するためのもので、AFなどにも対応している電子マウントアダプターです。
ソニーEマウント フランジバック 18mm vs. Zマウント フランジバック 16mm、わずか2mmの差を使ってつくられているのでとても薄いです。このなかにプロセッサを含めた電子回路を押し込んでいるのはなかなかの工夫だと思います。カメラ側、レンズ側それぞれに対応する電子接点が並んでいます。
レンズに取り付けたところ。こうすると薄いだけに完全にレンズと一体化して違和感がないですね。フランジバックの差の分だけ長さが必要になりどうしても嵩張る標準のFTZマウントアダプターなどとはずいぶんと違います。
アダプターが極薄のため力を入れて回すことは難しく、レンズに取り付けた状態から取り外すのは至難の業です。レンズ側への電子接点への部分を見てみるとこんな感じになっています。
ここで用いられている電子接点はピン一つ一つにばねが組み込まれており、そのばねの力を抑えて安定して接触を保つにはそれなりの力でこの接点部分を押さえ込む必要があります。その構造のためか寸法がぎりぎりにできているようで、TZE-01を取り外すために回すにはかなりの力が必要で手が痛くなってしまうようなレベルです。このTAMRON 20mmレンズはソニーカメラに取り付ける場合であってもマウントが固めと言われているので、その影響もあると思われます。
現実的な手順でTZE-01を取り外すには、カメラにレンズを取り付けた状態からEマウントレンズだけを外し(これも固いですがまだ何とかなるレベル)、
ここから、さらにTZE-01をカメラから取り外すというステップになります。これだけの操作を撮影中の屋外などでレンズ交換と同様の頻度で行うのは厳しいです。不注意に取り外そうとすると壊してしまわないか不安になります。Z6はセンサーの埃付着に注意が必要ということもあります。
それよりは撮影に出かける前に自宅にて今回はこのレンズを持っていこうと選ぶ際にレンズに取り付け、その撮影行の間はZマウントレンズと同様に扱うということになると思います。そうすればZレンズ同等に気軽に使えます。なので撮影の間にZレンズに加えて複数のEマウントレンズを交換して使いたいときには、その数だけのTZE-01を用意しておかないと難しそうです。
付属してくるキャップにはUSB端子が用意されており、TZE-01にこのキャップを取り付けた状態でPCに接続すればファームウェアのアップデートが可能です。動作上の問題が報告されたときになどファームウェアで対応ということはありそうです。
昨年7月に発売開始となったときはファームウェアのバージョンは1.0でしたが、そのあとバージョン2.0がリリースされています。私の手元に届いたときは当初Ver1.0だったようで動作が今ひとつだったのですが、Ver2.0にアップデートすることでずいぶんと良くなり十分実用的なレベルになりました。
このように付属のキャップはアップデートのために必要になるものですし、電子接点があるためにTZE-01をキャップからの取り外すのも硬くて苦労するレベルです。これとは別に普通のZマウントレンズリアキャップを用意しておいたほうがいいです。
ソニーEマウントは、ショートフランジバックといったミラーレスならではの特性を活かしたタムロン、ツアイス、コシナ/フォクトレンダーなど個性的なレンズが出てきていて魅力的です。TECHART TZE-01は、そのようなレンズがZマウントカメラでAFも含めて利用可能になるとても便利なマウントアダプターです。レンズラインアップの拡充に時間がかかりそうなニコン Zカメラにとってメリットが大きいと思います。一方でこの薄さでは取り扱いに注意が必要なところもあります。
MFレンズだと動作しないものがあると報告されているなど互換性が心配ですが、幸いにも一緒に入手したTAMRON 20mm F/2.8 Model F050は十分実用的なレベルで動作してくれました。そのレポートはまた別の記事にしたいと思います。
(注) 最新のAPS-Cカメラ Z50ではニコンがマウント周りの寸法を変えたためにTZE-01は取り付けられないそうです。今後のZシリーズカメラでどうなるか気になります。
Author:TK_Starlight
綺麗な眺めに魅かれて星空・風景・花などの写真を撮っています。
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