Z6で TAMRON 20mm F2.8を使う

ソニー Eマウント用レンズ TAMRON 20mm F/2.8 Model F050を電子マウントアダプター TECHART TZE-01を介してZ6で使い始めました。その様子を紹介します。

Z6 TZE-01 タムロン TAMRON 20mm

なおファームウェアとしては以下のものを使用しました。

  • ・Z6: Ver 3.00
  • 2020年2月にリリースされた最新版、ただしここでの動作にVer 2.20との差はなし

  • ・TECHART TZE-01: Ver 2.0
  • Ver1.0ではAF動作、Z6ボディ内手振れ補正動作が不安定


TAMRON 20mm F/2.8 Model F050とは

タムロンから2020年1月に販売開始されたソニー Eマウント単焦点レンズで、20mm、24mm、35mmの3つのレンズがほぼ同じ外観、サイズでシリーズ展開されています。F2.8という控えめな明るさに抑えたかわりに手軽に使えるコンパクトなサイズ、軽さ (220g)に仕上がっており、1:2までのマクロもサポートされています。20mmの場合は最短撮影距離は0.11mです。Z6と組み合わせても気軽に扱えるサイズ感で、嵩張るニコン純正FTZアダプターとFマウントレンズの組み合わせよりずっとすっきりしているのが良いところです。


トレッキングなどにおいて標準ズーム Z 24-70mm F/4と良い補完関係になるというのが購入の動機です。純正のZ 20mm F/1.8も発売となりましたが、もう1本追加して持ち歩くにもほとんど負担を考えずに済むサイズということでタムロンのほうを選びました。お値段も随分違っていてタムロンは販売価格3万円台と気軽に購入できます。


TECHART TZE-01とTAMRON 20mm F/2.8レンズ

Z6 (もしくはZ7)でこのレンズを使うには電子マウントアダプター TECHART TZE-01が必要です。電子マウントアダプターでないとAFだけでなくMFであっても使えません。絞りリングもレンズ側にはなくてカメラからの電子制御になります。

TECHART TZE-01 タムロン TAMRON 20mm F2.8

購入して一番最初にZ6に取り付けた時まったく動作しなくて焦ったのですが、それはレンズマウントの固さのために電子接点の位置がきちんとあっていなかったためでした。取り付けをしっかり行えば大丈夫です。Z6での動作を項目別に紹介します。


EXIFでのレンズ情報

レンズの焦点距離、絞り情報は正しくカメラから読み取れます。レンズ名は読み取られないようですが、FTZアダプター経由のFマウントレンズであっても同様であり、レンズ名がきちんと表示されるのはZマウントレンズだけだと思います。使用上は問題ありません。

絞り制御

全く問題なし。

オートフォーカス

いちばん気がかりだったのがAFです。結論から言うと、AFエリアはシングルポイントAFとし、AFポイントは中央固定、そしてフォーカスモードはAF-S (シングルAF)とすれば、ほぼどんなシーンでも問題なく使用できると思います。AFポイントを中央から離れた場所にすると室内など暗めの場所、コントラストが弱めの被写体に対してはピントが合わないケースが出てきます。またAFエリアをピンポイントAFとするとほとんどピント合わせに失敗しました。

AF-Cは動作はしますが、もともとAFが速いレンズではないので信頼性は低いのではないかと思います。何かと話題の瞳AFについても動作しますがAFポイントが中央から離れるとあてにならないケースがあるので、私は使わないと思います。

このような制限はありますが、私は風景撮影用として購入していますのでこれで実用上十分です。ミラーレスなのでピントに不安があるときにはファインダー内でフォーカス位置を拡大してMFで調整すればよいというのもあります。(MF時のフォーカスリングも電子制御ですが、問題なく動作します。)

手振れ補正 (Z6ボディ内手ブレ補正 IBIS)

動作します。ちょっとテストした感じでは、シャッター速度 1/10秒で手振れ補正オフだと失敗するケースがあるのが手振れ補正オンではほぼ100%成功、1/5秒も結構使えそう、といった具合でした。EXIFでレンズ情報が読めているためか、レンズ情報手動設定をしてもしなくても差はなかったです。

もっとも手振れ補正以前に程よい軽さが手振れに対して有利だと思っています。例えば同じ70mmでも望遠ズームと標準ズームでは、標準ズームの方が(私の場合は)手振れが出にくいです。1/10秒や1/5秒といったシャッター速度が使えれば十分で、これ以上遅くすると被写体ブレの方が気になってくると思います。

レンズ補正

Z6側で周辺減光補正をオンにすれば補正されますが、歪み補正はオンにしても変わりませんでした。Lightroomにこのレンズ用プロファイルがすでに用意されているのでボディ側補正は使用せずに現像時に適用すると思います。歪みの大きさが指摘されることが多いレンズですが、室内や直線が多い建物のような被写体はあまり撮影しないこともあり少なくとも今回の撮影では歪み補正は入れなくとも気にならなかったです。歪み補正を適用すると四隅が引き伸ばされたような感じで見えることがあります。

その他

実際に手にするまで予想していなかったのですが、レンズがコンパクトすぎてフォーカスリングの辺りを持つ左手の指とZ6ボディのグリップを握る右手の指がかなり近くなり、そのためにZ6ボディのFn1・Fn2ボタンを押すのが難しくなります。ピント位置拡大はOKボタンを押すことになりそうです。


まとめ

以上のように、Z6 + TECHART TZE-01 + TAMRON 20mm F/2.8の組み合わせは少し制限がありますが、私としては十分実用になると感じました。実際の撮影にも使ってみましたが困るようなことはなくスムーズに使用できました。下の写真では歪み補正はしていません。

Z6 TZE-01 TAMRON 20mm 河津桜 菜の花

ここまで実用性十分だと他のEマウントレンズも気になってきます。

TAMRON 17-28mm F/2.8 Di III RXD (Model A046)

星撮り用として期待です。定番のTAMRON SP 15-30mm F/2.8よりも良いと報告している人がおられますね。サイズがコンパクトで出目金レンズではない、なんといっても重さが420gとはるかに持ち運びに便利です。

TAMRON 70-180mm F/2.8 Di III VXD (Model A056)

これまたTAMRONですが開発発表されていて、発売も近いと言われている望遠ズームです。望遠ズームでのF2.8は必要はないのですが、こちらのレンズだとFマウント70-200mm F/4と比べて同じぐらいの太さ、重さながら長さで25mmは短くFTZアダプターを入れるとその差はもっと大きくなって、カメラバックにすっきりと収納できそうというのが魅力です。ただ望遠ズームだとAFの制限の影響が大きくなりそうです。

ネイティブのZマウントレンズが出てくれるのが一番ではありますが。。

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同じ組み合わせで質問があります

K.J.Schwantz
初めまして、こんばんわ。
同じ組み合わせで使用していますがお聞きしたいことがあります。

絞り優先で撮影した場合、絞り8までは適正露出で撮影できます。
しかし9以降は絞るほど露出オーバーとなります。他にEマウントレンズをもっていないので
原因の切り分けができません。

こんな不具合でてませんでしょうか。

露出が不安定

TK_Starlight
はじめまして、こんばんは。
私の場合、先日使用したときに何枚かのカットで露出がアンダーになったものがありました。Adobe Lightroomで現像しているのですが、露出を+1.2 - +1.5ぐらいにする必要がありました。そのときの絞りはF8だったのですが、同じ絞りF8やさらに絞ったものでも適正露出で撮れているものもあり、あまり絞りには関係ないように思います。測光はマルチパターン測光でしたが、フォーカスポイントは中央からずらしていたかもしれません。
このように露出の不安定さは経験したことがありますが、同じ不具合であるかはちょっとわからないです。
以上ご参考になれば幸いです。

K.J.Schwantz
ご返信ありがとうございます。
なかなかクセがありますが、適宜補正して使っていこうと思います。

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