2019年3月 NZ遠征記 (4)

その(3)からの続きです。3/29および3/30に行った天体写真撮影です。

3/25(月)成田 18:30 発 機内泊
3/26(火)オークランド経由クイーンズタウン午後着。テ・アナウへ移動テ・アナウ泊
3/27(水)モンキークリークへドライブテ・アナウ泊
3/28(木)ミルフォードサウンド観光。クイーンズタウンへ移動クイーンズタウン泊
3/29(金)マウントクックへ移動。ハイキングマウントクック泊
3/30(土)テカポで観光 & 買い物マウントクック泊
3/31(日)マウントクックでハイキングマウントクック泊
4/1(月)テカポへ移動 & 買い物テカポ泊
4/2(火)テカポでハイキングテカポ泊
4/3(水)引き続きテカポに滞在テカポ泊
4/4(木)クライストチャーチへ移動 & 市内観光クライストチャーチ泊
4/5(金)クライストチャーチ 5:50発 成田 15:50着帰国

3/29(金)夜 天候 快晴、マウントクックで天体写真撮影

マウントクックでの1泊目、予報ではあまり期待できなかったにもかかわらず綺麗に晴れわたり、初めての星見に出ました。場所はビレッジから少し戻った道路わきです。ただ金曜日ということもあるのかビレッジへの道路を思いのほか車、バスが通過したのは想定外ではありました。23時ぐらいまでは数分に1台は通るといった感じでしたが、とりあえず写真への影響はなく済みました。こんな遅い時間にもやってきてホテルやモーテルにチェックインするのか、キャンプ場に向かうのかとちょっと驚きました。

NZはいたるところに星見によさそうなロケーションがあるのですが、問題は幹線道路(制限速度100kmのハイウェイ)しか存在せず、なかなか脇道というのがありません。道路脇にところどころ車を止められるスペースがありますが、とくに主要都市間の幹線道路だと夜中でもそれなりに車が通るのではないかと思いますし、道路のすぐ脇は危険です。

この晩は薄明終了が21時、月が昇ってくるのが1時ということで少し時間が限られていましたが、まずはプロミナーにて南天のメジャーどころ3点を撮影できました。

ニュージーランド 天体写真 小マゼラン星雲

Kowa Prominar 500mm F5.6L + マウントアダプター TX07T

EOS 6D SEO-SP4 (UIBAR)

ISO3200 210秒 x8 コンポジット

Vixen AP赤道儀、PHD2 + ToupCam によるオートガイド

球状星団中心部は1分、 20秒露出のコマも撮影してレイヤー合成


ニュージーランド 天体写真 大マゼラン星雲

Kowa Prominar 500mm F5.6L + マウントアダプター TX07T

EOS 6D SEO-SP4 (UIBAR)

ISO3200 210秒 x4 コンポジット x3 モザイク

Vixen AP赤道儀、PHD2 + ToupCam によるオートガイド


ニュージーランド 天体写真 イータカリーナ

Kowa Prominar 500mm F5.6L + マウントアダプター TX07T

EOS 6D SEO-SP4 (UIBAR)

ISO3200 210秒 x8 コンポジット

Vixen AP赤道儀、PHD2 + ToupCam によるオートガイド

星雲中心部は1分、 20秒露出のコマも撮影してレイヤー合成


心配だった極軸合わせも、事前の調査・準備のおかげかそれほど苦労なく済ますことができました。ただ私にとっては双眼鏡は必須でした。はちぶんぎ座の台形は双眼鏡ですぐに見つけたのですが、肉眼ではそのあたりに何か星があると見える程度ではっきりとはわかりません。その方向に極軸を向けるのが簡単ではなく、赤道儀の極軸の上に双眼鏡を手で載せておおよそ方向を合わせることで極軸望遠鏡の視野にはちぶんぎ座の台形を入れることができました。PCの星図ソフトで極軸望遠鏡内での見え方も出しておいてそちらも参照しました。


3/29(金) 35mmレンズで星野写真

直焦点撮影の後はSigma ART 35mmレンズを使って追尾で星野写真を2コマ撮りました。このレンズは直前に入手してぶっつけ本番でしたが、評判通りのシャープさでした。ただ周辺付近はF4まで絞ってもやや甘さが残り、私の持っている個体では少し片ボケもあるようでコマ収差などで星像が乱れるということはないのですが、点像のままピントが甘くなっている感じでした。下の画像では周辺の一部に星像を小さくする処理を加えています。

ニュージーランド 天体写真 ガム星雲 大マゼラン星雲

Sigma 35mm F1.4 DG HSM Art, 絞りF4

EOS 6D SEO-SP4 (UIBAR)

ISO3200 180秒 x6 コンポジット

Vixen AP赤道儀


ニュージーランド 天体写真 南十字星 天の川

Sigma 35mm F1.4 DG HSM Art, 絞りF4

EOS 6D SEO-SP4 (UIBAR)

ISO3200 180秒 x4 コンポジット

Vixen AP赤道儀


3/29(金) フィッシュアイレンズで星景写真

これで月の出の時間に近くなったのでSamyang Fisheye 12mmで星景っぽく撮影しました。南に向けての撮影ですがこちらの方向の眺めは今一つ魅力に欠けます。それでもU字谷の雰囲気はありますが。

ニュージーランド 星景写真 マウントクック

EOS 6D SEO-SP4, Samyang Fisheye 12mm F2.8,ISO6400, f/4, 30sec, Lee Soft filter #3


北西のビレッジの方向に向けています。縦構図なので頭の上を通り越して、さそり座のあたりまで入れています。さそり座が東から横倒しで昇ってくる眺めは新鮮でした。この写真はビレッジの背後の山には月の光が当たっている状態です。手前の地面にはまだあたっていません。

ニュージーランド 星景写真 マウントクック

EOS 6D SEO-SP4, Samyang Fisheye 12mm F2.8,ISO6400, f/4, 30sec, Lee Soft filter #3

1回目の天体写真撮影を終えて、とりあえずはNZ遠征の目標に対して最低限の撮影はできたかというところでほっとしました。


3/30(土) 天候 地域によって晴れ または曇り、テカポ訪問

前日までのアクティブな行動もあり特に大きな活動はしませんでした。ただビレッジ内にはスーパーもないので、買い物と食事がてらマウントクックから1時間ちょっとのテカポまで行き、そのついでにテカポでの星見の場所の下見はしておきました。

3/30(土)夜 天候 晴ときどき曇り、テカポで星野写真撮影

この日の夜はもともと天気予報が芳しくなくあまり期待していなかったのですが、直前になってテカポなら晴れそうな予報となりました。なので昼間に続いて再び夜にテカポまで行って撮影を行いました。直焦点は行わずにカメラレンズでの撮影に絞りました。天気の方は雲に覆われて待ちの時間帯があったり、それなりに晴れてはいても薄雲や水蒸気で背景にむらが出てとくに超広角での撮影では画像処理が難しかったです。

ニュージーランド 天体写真 南十字星 天の川

Tamron SP 15-30mm F2.8 (30mm), 絞りF4, Lee Soft filter #3

EOS 6D SEO-SP4 (UIBAR)

ISO3200 180秒 x4 コンポジット

Vixen AP赤道儀


撮影した場所はやや南東から南にかけて小高くなっているものの見晴らしもよく車の通過もほとんどない良いところでしたが、局所的な雲が気になりました。このあたりは局所的な雲の高度がかなり低いようで、少しの場所の違いで状況が大きく変わりそうです。テカポの湖の西側には天文台もあるマウントジョンがあるのですが、そこで発生する雲に気を付けた方が良いような印象を受けました。

ニュージーランド 天体写真 南十字星 天の川

Tamron SP 15-30mm F2.8 (15mm), 絞りF4, Lee Soft filter #3

EOS 6D SEO-SP4 (UIBAR)

ISO3200 180秒 x2 コンポジット、地上部は固定撮影

Vixen AP赤道儀


南十字星が天高く南中するころ、南の空を見上げると南十字星あたりの天の川は地面と平行になり、天の南極を挟んだ反対側には大小マゼラン星雲が浮かぶというバランスのとれた配置となります。マゼラン星雲のさらに下にある明るい星はエリダヌス座のアケルナル、さらに画面右にカノープスも加わって賑やかです。これに山や湖の良い景色が入れば言うことはないのですが、テカポのこの撮影地からは牧草地が広がっていました。これはこれでニュージーランドらしいと言えますね。

ニュージーランド 天体写真 南十字星 天の川

Tamron SP 15-30mm F2.8 (15mm), 絞りF4, Lee Soft filter #3

EOS 6D SEO-SP4 (UIBAR)

ISO3200 180秒 x2 コンポジット、地上部は固定撮影

Vixen AP赤道儀


北半球では春は天の川を見ることができないシーズンです。その同じ時期に南半球で夜空を横切って素晴らしい姿を見せているのがこの天の川です。南半球では季節は秋に入りつつある頃なのですが、北半球に住む私にとっては"春の天の川"という感覚ですね。

202005_NZ_report_day5_spring_milkyway_15mm_soft_filter.jpg

Tamron SP 15-30mm F2.8 (15mm), 絞りF4, Lee Soft filter #3

EOS 6D SEO-SP4 (UIBAR)

ISO3200 180秒 x4 コンポジット

Vixen AP赤道儀


マウントクックとテカポ間の移動は昼に下見をしてあったこと、日本での遠征の手間を考えれば1時間ちょっとぐらい平気だろうと思っていたのですが、かなり運転は大変でした。とにかく野生動物の飛び出しが多いです。おもにウサギですね。ずっと神経を張り詰めた状態での運転となりマウントクックの宿に戻ってきたときには疲れはてていました。NZでの夜間の運転はあまりすべきではないですね。これまで昼間運転していても道路に動物との接触の跡が多いなとは思っていたのですが、あれほど遭遇するとは思いませんでした。

10泊の滞在も半ばを過ぎてその(5)へ続きます。その(7)までの予定です。


NZ遠征 (1) 入国、テ・アナウへ

NZ遠征 (2) ミルフォードサウンド

NZ遠征 (3) マウントクックでハイキング

NZ遠征 (4) 天体写真撮影 (この記事です。)

NZ遠征 (5) マウントクックでハイキング & テカポ

NZ遠征 (6) 天体写真撮影 &マウントジョンでハイキング

NZ遠征 (7) 天体写真撮影 そして帰国

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