先日の乗鞍三本滝での直焦点撮影画像が完成しました。はくちょう座の散光星雲というと北アメリカ星雲からγ星サドルにかけてが有名ですが、その南側にあるη星にかけても 星雲が広がっています。γ星からη星にかけての領域をプロミナー鏡筒の6枚モザイクで撮影しました。
2020年8月撮影
Kowa Prominar 500mm F5.6L + マウントアダプター TX07T
Nikon Z6 HKIR改造
ISO3200 180秒 x6 コンポジット、x6 モザイク
Kenko EQ6PRO赤道儀、PHD2 + ASI120MM Miniによるオートガイド
Adobe Lightroom Classic、Photoshop 2020による画像処理
星雲に加えて天の川の描写も大切な構図なので、星雲の色合いだけでなく星々のとくに青、黄色といったものが表現できるかが重要になってきますが、空の暗い乗鞍三本滝で輝度のある対象ですから、狙い通りの描写ができたと思います。天頂方向の撮影だったので光害の影響も全く見られず、モザイクコマ間の色合わせも楽に行えました。
星の色については以前に紹介した処理を行っています。この処理は強調処理をして星の色が白飛びしてしまうとさすがに効果がなくなるので、画像処理のなるべく早い段階で行うのがお薦めです。
猛暑の続く中でしたが、標高1,800mということで気温は17度ぐらいだったと思います。これぐらいの気温でもZ6のノイズというのは気にならなかったです。Z6を入手して評価したとき、室温でのダークノイズはそれまで使用していたEOS 6Dより多かったのですが、実用上は問題のないレベルですね。もちろんダーク減算は行っています。
この領域は銀塩の頃から何回か撮影したことがあります。下の画像は初めてデジタルを用いたときのものでAPS-Cサイズのカメラで8枚モザイクをしています。2009年の撮影で天文ガイド誌に入選しました。(その頃はフォトコンに応募していました。)
2009年8月、9月撮影
Vixen ED102SS + BORG F4DG
SEO Cooled X2 (UIBAR) + LPS-P1
ISO1600 18分 x2 コンポジット、x8 モザイク
Kenko EQ6PRO赤道儀、PHD + Orion StarShoot Autoguiderによるオートガイド
Adobe Lightroom、Photoshop CS4による画像処理
LPS-P1フィルターを使っていることもあり星雲はなかなか良い描写ですが色彩が乏しいですし、8枚モザイクしてもセンサーサイズが小さいために解像感が落ちますね。また1コマの露出に18分かかっており総露出時間も5時間近くかかっています。このときは1回の撮影では終わらなくて2回に分けて撮影しました。このころに比べると撮影の手間はずいぶんと手軽になりました。画像処理にかかる時間は増えているかもしれませんが。
Author:TK_Starlight
綺麗な眺めに魅かれて星空・風景・花などの写真を撮っています。
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