AP赤道儀を星空雲台に

小型機材としてビクセンのAP赤道儀を使用しています。小型軽量でモバイルバッテリーで駆動化可能というお手軽さながらオートガイド対応により本格的な撮影が可能と使いやすい機材です。

AP赤道儀のもう一つの特徴はモジュラーデザインより各部品に分解し、部分的に交換することで色々な形態に変更できることです。各種構成の中で赤道儀として最も軽量なものが星空雲台という名前のもので、車以外の移動手段たとえばトレッキングで持ち歩くようなことができるのではと思っていました。標準AP赤道儀の構成から星空雲台に組み替える部品セットがAPポータブルセットとして販売されていますが、今回同等の部品を入手できたので試しに星空雲台を組み上げてみました。


入手した部品類で、手前左からAPクランプ筒受ユニットH、プレートホルダーベース、AP極軸ホルダーの3点になります。

ビクセン AP赤道儀 星空雲台

奥側の極軸望遠鏡と赤経モーターモジュールは元のAP赤道儀で使用していたもので、そこから取り外して使います。


元のAP赤道儀がこちらで、ここから部品を取り外していきます。

ビクセン AP赤道儀

極軸望遠鏡はねじ込んであるだけなのでそれを外したのち、赤緯軸カバー内にあるネジを2つ外して赤緯体を取り外します。

ビクセン AP赤道儀 赤緯体 極軸望遠鏡

さらにネジ3本で赤経モーターモジュールを取り外します。これでAP赤道儀の分解は終了です。外すネジは5本だけなので想像していたよりはずっと簡単でした。

ビクセン AP赤道儀 赤経モーターモジュール


ここからは星空雲台を組み上げればOKです。事前に説明書の構成図をチェックした時に赤経モーターモジュールの取り付け方向がオリジナルのAP赤道儀と反対になるのを見て、モーターの回転方向を逆にしないといけないのではと思ったのですが、実際に部品を眺めてみるとその必要がないことが理解できました。

赤経モーターモジュールは筒状の部品が内側と外側と二重になっており、その間をモーターで回転させることで星の追尾を行っています。AP赤道儀のときは内側の部品が(地面に対して)固定される一方で、星空雲台のときには外側の部品が固定されるという違いがあるので、取り付け方向を反対にしてもモーターの逆転が必要ないようになっています。(言葉にするとわかりづらいですが。)

ビクセン AP赤道儀 星空雲台

赤経モーターモジュールの電子接点がない側にAPクランプ筒受ユニットHをネジ3本で、それとは反対側にまずプレートホルダーをネジ2本で組付けます。そののちにプレートホルダーの部分をAP極軸ホルダーのテーパー部に固定、最後に極軸望遠鏡をねじ込めば簡単に組上がりました。

カメラ三脚に載せてカメラなどをセットすれば、実際に使用するときの様子となります。

ビクセン AP赤道儀 星空雲台

期待通り、とてもコンパクトなポータブル赤道儀となりました。以前に持っていたケンコー スカイメモSと似た感じのコンパクトさだと思います。重さは実測で1.5kgでした。

1.5kgと考えると、これぐらいならトレッキングにも持って行けるとも思うのですが、実際には手持ちの三脚が自由雲台込みで1.2kg、それに加えてモバイルバッテリーなどが必要ですし、せっかく赤道儀で追尾撮影をするなら天体改造カメラと性能がいい広角レンズが使いたいとなると機材の重さは合計で4kg、5kgとなってしまいそうです。

これだけの追加重量があると自分にとって行動可能な範囲は限られてしまいますね。今まで行ったことがある中では、富士山宝永火口や八方池なら大丈夫そうですが、先日紹介した白馬大池となるとどうでしょうか。。白馬大池から少し登った雷鳥坂から見る小蓮華山は南西方向で夏の天の川と組み合わせるには良さそうではあります。


AP星空雲台はポータブル赤道儀としてはケンコー スカイメモSなどと比べて正直なところ割高感はありますが、すでにAP赤道儀を持っている人にとっては、APポータブルセットを追加購入するだけで済むので入手しやすいと思います。ここで紹介したようにモジュールの組み換えも簡単です。



関連記事
スポンサーサイト



プロフィール

TK_Starlight

Author:TK_Starlight
綺麗な眺めに魅かれて星空・風景・花などの写真を撮っています。

カテゴリ

検索フォーム

にほんブログ村

天体写真人気ブログ ランキング

月別アーカイブ

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

コメント

非公開コメント